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商標法50条~56条

【目次】

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目次

商標法50条

不使用取消審判の趣旨

  • 商標法上の保護は、商標の使用によって蓄積された信用に対して与えられため、一定期間登録商標の使用をしない場合、保護すべき信用が発生しないか、あるいは発生した信用も消滅してその保護の対象がなくなる。
  • 他方、そのような不使用登録商標に排他独占的な権利を与えておくのは、国民一般の利益を不当に侵害し、かつ、その存在により権利者以外の商標使用希望者の商標の選択の余地を狭めることになる。
  • このため、請求をまってこのような商標登録を取り消そうというのである。
  • すなわち、本来使用をしているからこそ保護を受けられるのであり、使用をしなくなれば取り消されてもやむを得ないのである。

50条1項 指定商品又は指定役務に類似する商品又は役務について使用をしたり、登録商標に類似する商標の使用をしても本項の適用を免れることはできないとした理由【青本19版】

  • 商標権のうち禁止権に係る部分つまり類似部分の使用は、権利としての使用ではなく事実上の使用であるから、
  • 本条の意図する登録商標の使用義務を履行しているとはいい難いため。

商標法50条1項カッコ書を設けた理由

  • 登録商標の使用かどうかは、自他商品の識別をその本質的機能としている商標の性格上、単なる物理的同一にこだわらず、取引社会の通念に照らして判断される必要がある。
  • このため、従来より審決例や判決例でも、社会通念上同一と認識しうる商標の使用は登録商標の使用と認めてきていた。
  • ①しかし、この運用も社会通念上同一と認識しうる商標をその内容とする過剰な防衛的出願・登録の抑制を図るまでには至っていない。
  • そこで、こうした出願を抑制し、早期権利付与の確保を図るために、カッコ書きを設けた。
  • ②本条により、パリ条約5条C(2)の趣旨の我が国への適用も明確となった。
  • ③登録商標と物理的同一のものを使用するよりは、商品(役務)の具体的な性状に応じ、適宜変更を加えて使用するほうが通常という産業界実情にも合致することが明確になった。

審判の請求人適格について「何人」にも認めることとした理由

  • ①不使用取消審判制度は、商標法の変遷の中では公益的観点から職権又は審査官の審判請求により不使用商標の取消がなされていたこともあり、公益的重要性は元々高いうえに、
  • 近年、不使用登録商標の累積により、他人の商標選択の幅の狭小化、特許庁における審査負担増・審査遅延等の事態が生じており、これを抑制する手段として当該審判の公益的重要性が一層高くなってきていること、
  • ②「利害関係」の有無について争われることにより審理結論が出るのが遅れるというケースも存在すること、
  • ③利害関係を作ろうと思えば、同一又は類似の商標を「出願」又は「使用」をすることで簡単に作ることができること、
  • ④平成8年の一部改正で、更新時の使用状況の審査を廃止したため、特許庁が直接的に不使用商標の取消に関与できなくなったこと、
  • ⑤諸外国でも「何人」にも請求を認めている例が少なくないこと等
  • を背景にして、不使用商標の整理についての一層の促進を図ることとした。

商標法50条2項 被請求人は、取消請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての使用の事実を証明すれば足りることを明らかにしている理由

  • ①被請求人が使用事実の証明をする場合、取消請求に係る指定商品の全てについて使用事実の証明を必要とすれば、手数が大変になるだけでなく、審判の迅速な処理も困難となり、
  • ②審判請求人は自分で必要とする指定商品だけについて取消請求をすべきだからである。

商標法50条2項 「正当な理由」の具体例

  • ①その商標の使用をする予定の商品の生産の準備中に天災地変等によって工場等が損壊した結果その使用ができなかったような場合、
  • ②時限立法によって一定期間(3年以上)その商標の使用が禁止されたような場合

商標法50条3項(駆け込み使用)の趣旨

  • ①商標権者が取消審判の請求がされ得ることを譲渡交渉、ライセンス交渉等での相手方の動きから察知した場合、審判請求登録前に駆け込み使用により取消を免れうるという問題があった。
  • ②譲渡交渉等を申し出る者は、やむを得ずまず不使用取消審判を請求し、その登録がされるのを待ってから譲渡交渉等を開始する結果、審判請求増加及び取り下げ等による事務処理負担増加という弊害があった。
  • ③駆け込み使用を認めなければ、審判請求を実際に行うことなく譲渡交渉等が円滑にまとまるという効果も期待できる。
  • ④欧州諸国も同様の制度を採用している。

商標法51条

商標法51条の趣旨

  • 商標の不当使用によって一般公衆の利益が害されるような事態を防止し、かつ、商標権者に制裁を課す趣旨

商標法51条の趣旨と故意を要件とし、過失の場合は適用がない理由

  • 商標権者は、専用権の範囲について使用をする権利を有するが、禁止権の範囲の使用は、法律上の権利としては認められておらず、他の権利と抵触しない限り事実上の使用ができるだけである。
  • そこで、このような商標の使用であって商品の品質若しくは役務の質の誤認又は商品若しくは役務の出所の混同を生ずるおそれがあるものの使用を故意にしたとき、つまり、誤認、混同を生ずることの認識があったときには、請求により、その商標登録を取り消すこととした。
  • これは商標の不当使用によって一般公衆の利益が害される事態を防止し、かつ、商標権者に制裁を課す趣旨である。
  • したがって、本条は故意を要件とし、過失の場合は適用がない。

商標法52条

不正使用取消審判の除斥期間

  • 商標法51条の取消審判は、一種の制裁規定であるが、その制裁対象となる不当な商標の使用が過去にあったときに、それを理由としていつまでも取消審判を請求できるのはあまりに酷だからである。
  • すなわち、①不当な使用をやめて5年以上経過すれば、その間の使用によって信用が当該商標に蓄積され、②それを5年以上経過してから取り消すのは、たとえ過去に商標の不当な使用があっても、その後の正当な商標の使用による信用破壊になるので妥当ではないからである。

商標法52条の2

商標法52条の2の趣旨

  • 本条は、①連合商標制度廃止に伴って分離移転を認めたこと、
  • ②類似関係にある商品・役務についても商標権の分割移転を認めたこと
  • に対応する誤認混同防止の担保措置の一つとして設けられた取消審判の規定である。

商標法52条の2「不正競争の目的」を取消しの要件とした理由

  • ①需要者間に混同が生じる事態に至っている場合、類似商標を有する両当事者の少なくとも一方が、混同状態を放置することにより何らかの利益(例えば、片方が周知で他方がその名声にフリーライドしようとしている等)を得ようとしていることが想定され、「不正競争の目的」が認定されるものと考えられること、
  • ②これを要件としない場合には、利益を害されている側(例えば、名声をフリーライドされている側)の商標まで「混同」を理由に取り消されかねず、妥当性を欠く結論となるおそれがあるからである。

商標法53条

商標法53条の趣旨

  • 本条は、専用使用権者又は通常使用権者が、専用権および禁止権の範囲で不当に使用して需要者に商品の品質又は役務の質の誤認や、商品・役務の出所混同を生じさせた場合における制裁規定であり、
  • 自由に使用許諾を認めたことに対する弊害防止規定である。
  • 商標権者は使用許諾にあたって自己の信用保全のため通常の場合十分な注意をするだろう。
  • しかし、もしそうでない場合には53条1項による取消をもって、無責任な商標権者及び専用使用権者又は通常使用権者に対する制裁を課して、使用許諾制度の濫用による一般需要者への弊害防止手段としている。

商標法53条が品質の劣悪を含む理由

  • 商標権者は使用許諾にあたって自己の信用保全のため通常の場合十分な注意するが、
  • もしそうでない場合には本条1項による取消をもって、そのような無責任な商標権者及び専用使用権者又は通常使用権者に対する制裁を課して、使用許諾制度の濫用による一般需要者への弊害防止手段とした。

取消の対象を専用使用権又は通常使用権としなかったのは理由

  • ①専用使用権又は通常使用権という私的契約により発生する法律効果を行政行為によって取り消すのは法律的に不明確であり立法例に乏しいこと、
  • ②もしその専用使用権又は通常使用権を取り消しても、審判請求されたとき設定契約を解除すれば、その審判は対象を失って棄却されることとなり、制度の存在が無意味になること、
  • ③商標登録自体を取り消すこととして、使用許諾に伴う商標権者の責任を明確にすること等

商標法54条

不使用取消審判の取消審決確定の効果について、予告登録日に消滅みなしとした理由

  • 従来、不使用取消審判の取消効果は、審決確定日から発生していたため、仮に審判請求者が他人の不使用登録商標を使用していた場合、審判により他人の商標登録を取り消すことができても、審決確定までの間については不使用登録商標の商標権に基づく損害賠償等の請求を免れることができなかった。
  • しかし、不使用取消審判により取り消された商標は、保護すべき信用が発生していないか、又は一度発生した信用も消滅しているため、審決確定日以前についても、このような実体のない商標登録が維持され、これに基づく損害賠償請求等を認めるのは適当でない。
  • そこで、取消しの効果を審判請求登録日まで遡及させることとした。
  • これにより、例えば、不使用登録商標に係る商標権の行使を受けた者は、直ちに審判を請求すれば、たとえ審判に時間がかかっても審決確定により当該審判請求登録日まで遡って権利が消滅するため、その間の商標権者による損害賠償請求等の余地はなくなる(事実上実体のない(不使用の)商標権に基づく権利行使を制限する)ことになる。
  • このように、取消効果の遡及は、登録主義の建前を維持しつつも、実質的には使用主義の考え方を最大限採り入れ、商標を不使用の状況に置くことに対して大きなリスクを与えることとするものである。

取消効果の遡及日を審判請求登録日とした理由

  • ①取消要件である不使用期間(3年)の満了日であって取消要件を充足した日であること、
  • ②EU諸国の多くも不使用期間満了日まで遡及させる法制を採用していること、
  • ③取消審判を請求する旨が登録原簿に掲載された日であるので、公示の原則も担保されること等を考慮した。

商標法56条

不使用取消審判の場合、指定商品ごとに請求を取り下げできない理由

  • 不使用取消審判の請求は、全体として一の事件を構成するものであり、
  • 被請求人はその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用を証明すればその商標登録の取消を免れるものとされている(50条2項)から、
  • 不使用取消審判の請求人がその請求に係る指定商品又は指定役務の範囲を自由に減縮することは請求の要旨を変更するものであり許されない。
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